習慣は意志より仕組み
新年の決意が数週間で立ち消えになるのはよくあることです。多くの人はその理由を意志が弱いからだと考えますが、実際には習慣の作り方に問題があることが少なくありません。意志の力は疲れた日や忙しい日にすぐ尽きてしまうので、毎回決心しなければならない行動は長続きしにくいのです。習慣とは、あまり考えなくても特定の場面で自然にしてしまう行動のことです。だから目指すべきは、より固く決心することではなく、迷う必要がないように行動を小さく簡単にし、日常の中に置き場所を決めてあげることです。また、一度にいくつもの習慣を変えようとするより、一つを先に定着させてから次に移るほうがうまくいきやすいです。
ごく小さく始める
最初から大きな目標を毎日こなそうとすると、一日休んだだけで再開するのが重荷になります。代わりに、いちばんやりたくない日でもできるくらい小さく始めます。運動なら運動着に着替えるだけ、読書なら一ページだけ、とばかばかしいほど小さくてもかまいません。いったん始めればもっとやる日も多く、そうでなくても毎日その場で何かをしたという流れが続きます。習慣が定着してから少しずつ量を増やしましょう。大切なのは量ではなく、毎日同じ場面で始めるという行動そのものを体に覚えさせることです。
- 運動:毎日腕立て伏せを二回
- 書くこと:一日一文
- 片づけ:寝る前に机の上の物を一つ片づける
いつ・どこでを決める
「いつか」「時間ができたら」という計画は実行されません。いつ、どこでやるかを具体的に決めると、その場面が行動を思い出させるきっかけになります。特に、すでに毎日していることのすぐ後に新しい習慣をつなげると、わざわざ覚えておかなくても続けやすくなります。これを「何をした後に、どこで、何をする」のように一文で書いておくと、さらにはっきりします。
- 朝コーヒーをいれたら水を一杯飲む
- 昼食を食べたら十分歩く
- 布団に入ったら携帯電話ではなく本を開く
環境を変える
人は思っている以上に環境の影響を受けます。したい行動は目につきやすく手が届きやすい所に、減らしたい行動は面倒にしておくだけで、選ぶものが変わります。意志の力でがまんするより、誘惑を目の前から消すほうがずっと簡単です。場所を決めておくのも役に立ちます。机は仕事をする所、ベッドは眠る所のように空間と行動を組み合わせておくと、その場所に行くだけで気持ちが切り替わります。
- 運動着と運動靴を前の晩に出しておく
- 本を枕元やかばんに入れておく
- お菓子は見えない高い所にしまう
- 勉強中は携帯電話を別の部屋に置く
記録とごほうび
カレンダーやメモ帳に今日やったという印をつけるのは、単純ですが効果的な方法です。印が続いているのを見ると途切れさせたくない気持ちが生まれ、実際にどれくらいできているかも正確にわかります。記録は簡単なほど長続きします。やったかやらなかったかを書くだけで十分です。小さなごほうびも役に立ちます。習慣を終えた直後に好きな音楽を聴く、温かいお茶を飲むなど、行動と心地よい体験を近くに結びつけておくと、次もやりたくなります。ただし、ごほうびが守ろうとしている習慣を損なうものであってはいけません。
休んでしまったとき
習慣を作る間には、休む日が必ず出てきます。体調を崩した日も、旅行中の日も、ただ疲れきった日もあるでしょう。問題は一日休んだことではなく、もう台なしだと思ってそのままやめてしまうことです。一日休んだら二日続けては休まないというルール一つを守るだけで、流れはすぐに戻ります。習慣が身につくまでの日数も決まってはいません。よく聞く数週間という数字にとらわれず、人や行動によってはずっと長くかかることもあると、ゆったり構えるほうがよいでしょう。
悪い習慣を減らす
悪い習慣を減らすときは、作るときの原理を逆に使います。きっかけを避け、行動を面倒にし、空いた所を別の行動で埋めます。ただがまんするだけだと、空いた所がまた元の習慣で埋まりがちです。お酒やたばこ、ギャンブルのように自分では抑えにくいと感じる場合は、一人で耐えるより医療機関や相談窓口の助けを借りるのがよいでしょう。
- いつその行動をしているか数日記録して、きっかけを探す
- 始めるまでの手順を一つ増やす
- 同じ欲求を満たす代わりの行動を決める
- 周りの人に目標を伝えて協力を頼む
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